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【歯科医監修】マウスピースの正しい洗浄方法!ニオイ・雑菌を防ぐコツ

【歯科医監修】マウスピースの正しい洗浄方法!ニオイ・雑菌を防ぐコツ

【ミライデンタルクリニック監修】

毎日使うマウスピース、ニオイや黄ばみが気になったことはありませんか?

「どうやって洗えばいいの?」「水洗いだけで大丈夫?」と悩んでいる方も多いはず。

この記事では、矯正用やナイトガードなど種類別のマウスピースの洗浄方法や、洗浄剤の正しい選び方、やりがちなNGケアまで、歯科医師がわかりやすく解説します。

正しくケアして、清潔で快適なマウスピース生活を送りましょう!

お気軽にご相談ください

 「ちゃんと洗えているか不安…」という方は、まずはミライデンタルクリニックの無料相談をご利用ください。

マウスピースの使用状況やお悩みに合わせて、あなたに合ったケア方法を専門医がご案内します。

目次

そのマウスピース、実は細菌だらけ?洗浄を怠るリスクとは

歯列矯正やナイトガードでマウスピースを使っている方も多いですよね。

でも、「マウスピース、ちょっとくらい洗わなくても大丈夫でしょ」 と思っていませんか?

実は、洗浄を怠ったマウスピースには、目には見えない「細菌の温床」というリスクが潜んでいます

お口の中は温かく湿っており、唾液や食べかすもあるため、細菌が繁殖しやすい環境です。

そこに汚れたマウスピースを入れてしまえば、お口全体の健康に悪影響を及ぼす可能性があります。

  • 口臭や虫歯・歯周病の原因となる
  • マウスピースが劣化する
  • ニオイの発生原因となる

ここでは、洗浄不足によって起こる3つの代表的なリスクをご紹介します。

①:口臭や虫歯・歯周病の原因となる

マウスピースに付着した汚れをエサに、細菌はどんどん増えてしまいます。

細菌は不快なニオイ(口臭)の原因となるガスを発生させるだけでなく、虫歯菌や歯周病菌の温床にもなるのです。

つまり、汚れたマウスピースを毎日使い続けることは、自分の口に細菌を繰り返し戻しているのと同じこと。

結果として、虫歯や歯周病のリスクを高めてしまうのです。

②:マウスピースが劣化する

洗浄を怠ると、歯垢やステイン(着色汚れ)が蓄積し、黄ばみ・白濁・変色の原因になります。

さらに、間違った洗浄方法(例:熱湯や歯磨き粉の使用)によって、マウスピースが変形することも。

変形したマウスピースは歯にフィットせず、本来の矯正効果や保護効果が発揮できなくなるおそれがあります。

放置すれば、ヒビ割れや破損につながることもあり、再製作が必要になるケースもあります。

③:ニオイの発生原因となる

「マウスピースから嫌なニオイがする」と感じたことはありませんか?

このニオイの主な原因は、細菌の繁殖によって発生するガスです。見た目には清潔そうでも、ニオイは細菌のサイン。

不快なニオイがあると、装着すること自体がストレスになり、治療や予防へのモチベーションも下がってしまいます。

マウスピースを清潔に保つことは、お口の健康だけでなく、習慣の継続にもつながる大切なケアです。

毎日のマウスピース洗浄【基本編】

マウスピースを清潔に保つための第一歩は、毎日の基本的な洗浄!

特別な道具は必要ありません。

正しい手順を覚えて、毎日の習慣にしましょう。

用意するもの

毎日のマウスピース洗浄に必要なものは「水」「指」「歯ブラシ」の3つ。

どれも自宅にあるものでOKです。

スクロールできます
アイテム用途・注意点
流水(冷水またはぬるま湯)汚れを流す。※熱湯はNG(変形の恐れあり)
自分の指指の腹を使って優しくこすり洗いするのが基本。
柔らかい歯ブラシマウスピース専用のブラシか、毛先が柔らかいもの。歯磨き粉は研磨剤によりマウスピースを傷つけるので使用しない。

マウスピース洗浄の正しい手順

洗浄の手順は4ステップ!

順を追って解説します。

STEP

マウスピースを外したらすぐ洗浄

唾液や汚れが乾燥する前に、流水で大まかな汚れを洗い流します。

STEP

こすり洗い

指の腹か柔らかい歯ブラシを使って、マウスピース全体を優しく丁寧にこすり洗いします。

特にくぼみや細かい部分は汚れが溜まりやすいところ。意識して洗いましょう。

傷の原因となるため、ゴシゴシ強くこするのはNGです。

STEP

しっかりすすぐ

こすり洗いが終わったら、流水でしっかりすすぎます。

STEP

水気を切って乾かす

マウスピースを軽く振って水気を切ります。

清潔なタオルで軽く拭くか、自然乾燥させます。

専用ケースにすぐ入れず、しっかり乾燥させましょう。

洗浄方法の注意点

「しっかり洗浄しよう!」とおこなっていることが、実はマウスピースを傷めているかもしれません。

以下の注意点を参考に、正しく清潔に保ちましょう。

熱湯NG!

マウスピースは熱に弱い素材でできています。熱湯につけると変形してしまい、歯にフィットしなくなってしまいます。洗浄時は熱湯を避け、水かぬるま湯を使ってください。

歯磨き粉は使わない

歯磨き粉には研磨剤が含まれているものが多いです。研磨剤はマウスピースの表面に細かい傷をつける原因となってしまいます。傷に汚れや細菌が入り込み、清潔に保てません。

硬いブラシで磨かない

硬いブラシはマウスピースを傷つけてしまいます。指か、柔らかいブラシを使いましょう。

食器用洗剤や漂白剤は避ける

口に入れるものなので、専用洗浄剤以外の利用は避けましょう。マウスピース自体を傷めたり、変色させたり、成分が残留して健康に影響を及ぼす可能性があります。

洗浄剤を使った除菌・消臭ケア【スペシャルケア編】

  • 洗浄液の再利用はNG
  • 毎日の水洗いだけでは落としきれない細菌・ニオイ・着色汚れ。

    そんなときは、マウスピース専用の洗浄剤を使ったスペシャルケアがおすすめです。

    ここでは、洗浄剤を使うメリットや選び方、使い方の注意点を詳しく解説します。

    マウスピース洗浄剤を使うメリットとは?

    洗浄剤を使う1番のメリットは、高い洗浄力と除菌効果

    水だけでは難しい細菌の除去や除菌をしっかりサポートしてくれます。

    気になるニオイを元から消臭してくれるのもメリットです。

    唾液や細菌が原因で発生する独特のニオイも、洗浄剤が分解・消臭してくれるので、装着時の不快感がぐっと減りやすくなります。

    さらに、コーヒーやお茶、カレーなど、色の濃いものを口にする機会が多い方には、着色汚れ(ステイン)を落としやすくする効果も見逃せません。

    毎日気持ちよく使い続けるためにも、週1〜2回の洗浄剤ケアを習慣にしましょう。

    洗浄剤の種類と選び方

    マウスピース洗浄剤には大きく分けて3タイプあります。

    それぞれの特徴をご覧ください。

    洗浄剤のタイプ特徴メリットデメリット
    錠剤タイプ水やぬるま湯に溶かしてつけ置きする発泡性が多い高い除菌
    洗浄力
    手間が少ない
    つけ置き時間が必要
    持ち運びがかさばる
    スプレータイプマウスピースに直接噴射して使用する手軽
    外出先でも使いやすい
    短時間でケアできる
    つけ置きタイプより洗浄力が弱い傾向
    泡タイプ泡で出てきてマウスピース全体を包み込み洗浄する泡が汚れに密着する
    ポンプ式で使いやすい
    すすぎが必要な製品がある

    洗浄剤は使っているマウスピースに合ったものを選ぶのが基本です。

    ◾️ マウスピースの用途に合ったものを選ぶ

    洗浄剤のパッケージには、「矯正用」「リテーナー用」「ナイトガード用」といった用途が明記されているので、確認してから購入しましょう。

    ◾️ 素材への適合性をチェック

    マウスピースの素材によっては使用できない洗浄剤もあるため、ここはしっかりチェックが必要です。

    ◾️ 成分で選ぶ

    また、配合されている成分もチェック!

    たとえば、タンパク質汚れ(唾液など)に効果を発揮する酵素入りや、着色汚れに強い漂白成分入りなど、製品によって特徴があります。

    ただし、漂白成分はマウスピースの素材によっては変色や劣化を招く可能性もあるので、使用できるか注意が必要です。

    ◾️ 使いやすさ・続けやすさも大切

    さらに、使いやすさも大切なポイント。

    無理なく続けられると感じるタイプを選ぶことが、清潔なマウスピースを維持する秘訣です。

    洗浄剤の正しい使い方と注意点

    洗浄剤の効果を最大限に引き出し、安全に使うためには、製品の指示に従うことが大切です。

    以下のポイントに注意して、正しく使いましょう。

    注意するポイント

    使用方法を必ず守る

    パッケージに記載されている水の量や水温、つけ置き時間、すすぎが必要かなどを確認し、従いましょう。使用時間が長すぎても短すぎても十分な効果が得られなかったり、素材を傷めたりする可能性があります。

    注意するポイント

    使用頻度

    製品によって推奨される使用頻度は違います。「週1〜2回」が一般的な目安です。

    説明書を確認しましょう。

    注意するポイント

    入れ歯用洗浄剤との違い

    入れ歯用洗浄剤は、成分や配合バランスがマウスピースと異なる場合があります。

    素材への影響を考慮し、マウスピース専用の洗浄剤を選ぶのがおすすめです。

    注意するポイント

    洗浄液の再利用はNG

    一度使用した洗浄液には、汚れや細菌が溶け出しています。衛生面の観点から、洗浄液の再利用はやめましょう。

    ベストな洗浄頻度は?マウスピースを清潔に長持ちさせる保管のコツ

    マウスピースを清潔に長持ちさせるためには、いつ、どれくらいの頻度で洗浄し、どのように保管するのがベストなのでしょうか?

    ここでは、水洗い・洗浄剤の使用頻度、保管方法のやり方について詳しく解説します。

    基本的な洗浄(水洗い)のタイミングと頻度

    マウスピースの水洗いのタイミングと頻度は以下の通りです。

    • マウスピースは外したらすぐに洗う
    • 最低でも1日1回は洗う
    • 飲み物を飲んだ場合も、水でサッとすすぐ

    唾液や食べかすは時間が経つと乾燥し、こびりついてしまうため、流水で早めに洗い流すことが清潔を保つコツになります。

    外した直後に流水で洗い流す習慣をつけるだけで、清潔さを保ちやすくなります。

    頻度の目安は、1日最低1回。指や柔らかい歯ブラシを使って丁寧に洗浄しましょう。

    また、食事や飲み物を飲むために短時間だけマウスピースを外した場合でも、そのままお口に戻すのは避けたいところです。

    再装着の前にサッと水ですすぐだけでも、細菌の繁殖リスクを大幅に下げることができます。

    スペシャルケア(洗浄剤)の適切な頻度

    続いて、洗浄剤を使ったスペシャルケアの頻度です。

    洗浄剤を使ったスペシャルケアの頻度は、製品ごとに異なります。

    以下は、あくまで一般的な目安です。

    • 週1〜2回の使用が理想的
    • 黄ばみ・ニオイが気になるときは頻度アップもOK

    特に汚れやニオイが気にならない場合でも、週に数回は洗浄剤で除菌・消臭を行うのがおすすめです。

    ただし、素材を傷めないよう必ず製品の使用説明を確認しましょう。

    頻度に迷う場合や劣化が気になるときは、歯科医師に相談すると安心です。

    洗浄後の正しい保管方法

    どんなにきれいに洗っても、保管が不適切だと意味がありません。

    保管方法も清潔さを保つのに重要なポイントです。

    ①:水気をしっかり切る

    清潔なタオルやキッチンペーパーで水分を拭き取り、風通しのよい場所で自然乾燥させましょう。

    ②:乾燥後は専用ケースへ

    そのまま置くとホコリや雑菌が付着したり、破損のリスクも。通気性のよいケースに保管するのが理想的です。

    ③:保管場所にも注意を

    湿気の多い洗面所や浴室などは避け、直射日光が当たらず清潔な場所に保管しましょう。

    ④:ケースも清潔に!

    意外と見落としがちなのがケース。

    定期的に洗って乾燥させてから使うことで、マウスピースの清潔を保ちやすくなります。

    マウスピースの正しい保管を心がけ、清潔に長く使いましょう!

    矯正用とナイトガードではケアが違う?

    ひと口に「マウスピース」と言っても、実は種類によって素材や使用目的、形状が異なります。

    基本的な洗浄方法は共通していますが、使用しているマウスピースのタイプに応じて、注意すべきポイントが変わるのが実情です。

    • 矯正用マウスピース
    • ナイトガード
    • スポーツマウスガード

    ここでは代表的な3タイプのケア方法を解説します。

    ①:矯正用マウスピース

    ①:矯正用マウスピース

    歯並びを整える矯正用のマウスピースです。

    特に透明なアライナー(インビザラインなど)は、目立たずに治療を進められるのが大きな魅力ですよね。

    薄いプラスチック素材が使われているものが多く、決められた期間で新しいものに交換していくのが一般的です。

    ◾️ 着色に注意!

    ケアは、素材による着色のしやすさを考えておこないましょう。

    コーヒーやお茶、カレーといった色の濃い飲食物は、透明なマウスピースには意外と色が付きやすいもの。飲食の際は外すことを徹底するのがポイントです。

    ◾️ ゴシゴシ洗いはNG!

    また、素材が薄いため、ゴシゴシと強い力で磨いてしまうと表面に細かい傷がつき、清潔さや透明感が損なわれる原因になります。

    お手入れは「優しく、丁寧に」が鉄則です。

    ◾️ 外すたびに洗浄する習慣を

    アライナーは食事や歯磨きのたびに着脱しますよね。

    外すたびに毎回洗浄するという習慣をしっかり身につけることが、清潔さを保つ上でとても大切です。

    ◾️ 治療後のリテーナーも同様にケア

    矯正治療が無事に終わった後も油断は禁物。

    きれいになった歯並びを後戻りさせないためのリテーナー(保定装置)も、アライナーと同様の丁寧なケアをしましょう。

    大切な歯並びをキープするために、洗浄とお手入れは欠かせません。

    ②:ナイトガード(歯ぎしり用)

    ②:ナイトガード(歯ぎしり用)

    眠っている間に、無意識の歯ぎしりや食いしばりから大切な歯や顎を守ってくれるナイトガード。

    比較的、厚みのあるしっかりとした素材で作られているものが多く、一晩中装着し続けるのが特徴です。

    ◾️ 朝起きたらすぐ洗浄が基本

    ナイトガードのケアで特に気をつけたいのが、睡眠中の細菌繁殖リスクです。

    眠っている間は唾液の分泌量がぐっと減り、お口の中の自浄作用が低下します。

    これは、細菌にとって繁殖しやすい絶好の環境です。

    だからこそ、朝起きてナイトガードを外したら、念入りに洗浄することが重要!

    ◾️ 内側の凹凸部分まで丁寧に洗おう

    また、歯ぎしりによって歯と強く接触する内側の洗浄もポイントです。

    複雑な歯の形にフィットするように作られているため、歯に接する面の見えにくい凹凸部分に、汚れが溜まりやすいことがあります。

    洗浄の際は、外側だけでなく内側も意識して丁寧に洗ってくださいね。

    ③:スポーツマウスガード

    ③:スポーツマウスガード

    ラグビーやボクシング、空手など、激しい接触のあるスポーツや、力を入れる競技で使われるスポーツマウスガード。

    衝撃から歯や顎、口腔内を守るための頼もしい存在です。

    安全性を高めるために厚みのある素材で作られていて、カラフルなものも多いですよね。

    ◾️ 外部からの汚れに注意!

    スポーツガードのケアで特に注意したいのは、外部からの汚れが付着するリスクです。

    プレー中に口から外して一時的に手に持ったり、うっかり地面に落としてしまったりすると、砂や土、汗などが付着してしまう可能性があります。

    使用後は、ほかのマウスピース以上に丁寧に洗浄することを心がけてください。

    ◾️ 汗・唾液によるニオイ対策も必要

    さらに、運動中は汗や唾液の分泌量も増えるので注意が必要!

    汗や唾液は汚れやニオイの原因となりやすい要素なので、使い終わったら放置せず、できるだけ早く洗浄し、清潔な状態で保管するようにしましょう。

    大切な体を守るための装具です。

    お手入れもきちんとおこないましょう。

    まとめ:正しいマウスピース洗浄習慣で、お口の健康と快適な毎日を!

    マウスピースの正しい洗浄方法と保管のコツについてご紹介しました。

    毎日お口に入れるマウスピースだからこそ、清潔に保つことがとても大切です。

    • 口臭、虫歯、歯周病のリスクを低減する
    • マウスピースの黄ばみや変色、変形を防ぎ、長持ちさせる
    • 不快なニオイを抑え、快適な装着感を保つ

    正しい洗浄習慣は、これらの改善につながります。

    「外したらすぐに優しく洗い、しっかり乾かして清潔なケースで保管する!」

    この基本を毎日の習慣にできると、マウスピースを綺麗で長持ちさせられます。

    また、必要に応じて専用の洗浄剤を使ったスペシャルケアを取り入れてみてくださいね。

    お気軽にご相談ください

     マウスピースの洗浄方法や保管方法、汚れやニオイについて困ったことや質問があれば、自己判断せずに歯科医師に相談しましょう。

    ミライデンタルクリニックでは、患者様一人ひとりに合わせた適切なケア方法をアドバイスしています!

    ぜひお気軽にご相談ください。

    この記事を書いた人

    ミライデンタルクリニック・新宿本院の院長。日本の歯学科を卒業後渡米。アメリカでさらに歯学を学び、ロサンゼルスで歯科医院を開業。その後、中国・上海、UAE・ドバイ、ミャンマー・ヤンゴンなど、さまざまな地域で歯科医院を経営。帰国後、これまでの経験を活かし日本でも歯科医院を開業。歯科領域の豊富な知識と経験を有し、多言語でコミュニケーションも可能なため、外国人の患者さんも多い。

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